Deep NINJAによる観測で南極底層水が減少していることが判明 2018.10.12
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)地球環境観測研究開発センターの小林大洋主任技術研究員は、深海用プロファイリングフロート「Deep NINJA」の観測データや歴史的な船舶観測データを解析し、南極アデリー/ジョージ五世ランド沖の深層に分布する南極底層水の体積が2011年以降急速に減少していることを明らかにしました。
この南極底層水の厚みの急激な減少は、メルツ氷河舌の崩壊によりアデリー/ジョージ五世ランド沖での海氷生成が不活発化し、沿岸高密度水の生成量が減少、その結果、同海域における南極底層水の形成量が大きく減じたためと考えられます。南極底層水の減少は、周辺海域のみならず、地球規模の海洋大循環や気候システム、物質循環にも影響を及ぼすことが考えられます。そのため、その将来を予測する上でも監視と分析を続けていくことが重要と言われています。「Deep NINJA」は、日々の分析データ取得に貢献しています。